【19.06.01】事業承継(36)
お客様や地域と共に発展する企業へ
株式会社ダスコン
代表取締役社長 石川 康行 会員
同社は、平成3年に創業し、特殊技術による外壁クリーニングを主とした建物全般のクリーニングと新築時の輝きを復元・維持するためのコーティング塗装事業が主体事業です 。
石川会員は大学卒業後、2002年に後継者として入社しました。入社後、今後経営者となるために、何をすればよいかという不安をきっかけに2011年に同友会へ入会しました。入会後しばらくは、例会等に参加するものの、どう学べばよいか分からない時期を過ごしました。このままでは事業承継は出来ないと思い、経営指針講座をチャンスと捉え受講します。そこから経営理念や方針、ビジョンを社員に発信し、共有、実行する大切さに気付きます。それからは、どんなことも学びであるとアンテナを張り巡らせ、自社の課題を見つめ直し、一つずつ実践を重ねています。
2019年3月に代表取締役社長に就任しました。承継する際、会長に花束と共通の趣味であるサッカー観戦旅行をプレゼントをしたところ、とても喜んでくれました。そして、毎月社員にのみ書いていたありがとうカードを会長にも書くようになりました。
「自分ができる領域を増やすこと、感謝の思いを伝えることで前社長との衝突も減った。今では会長も指針に賛同して応援してくれ、お互いに次のステージに進めた」と言います。
就任後は自分の発言が会社の代表としての発言であることの責任の重さや、スピード感を持って経営判断をしていく大変さを身をもって感じているそうです。
また「下請け案件が多く、自社の価値を十分にアピール出来る環境が少なく、価格決定権を持てない案件が多いことが課題」と話します。しかし、就任を機にお客様に「新事業を通して、お客様にも利益を還元します」と説明し、価格交渉をするなど、お客様や地域と共に発展する企業づくりに努めています。
今後の展望として、「既存の事業だけではなく、自社の沢山の小さな武器を融合し、事業領域を拡大し、外壁に関わることをトータルプロデュースしていく外壁のプロフェッショナル集団になっていきたい」とキラキラ輝く表情で語りました。