企業訪問

【19.07.01】事業承継(37)

ぶれない経営は企業哲学の浸透から

 \; 株式会社日本美装 代表取締役会長 石田 満雄 会員

 同社は、石田会員が1986年に塗装工事業として創業し、後に新築・リフォーム・不動産と住宅に関わる事業全般に拡げました。現在はお客さまにとっての「わが家の主治医」として、リフォームを主に地域に根ざした建設業です。
 事業承継のきっかけは、創業から31年経った2017年、石田会員があるセミナーに参加した際、更なる会社の成長のためには今以上にエネルギーとスピードが必要であると感じたことでした。まだまだ経営を行うことに何ら問題がなくても、創業時を振り返り、そして今ちょうど創業時の年齢と同じ歳の長男と重ね合わせると、今後の可能性を感じ、早速一か月後に長男への社長の承継を実行しました。
 事業承継にあたり、社員と取引関係者を招き承継式典を開き、受け渡す「希念の辞」、引き継ぐ「誓いの詞」を披露しました。2代目を中心に全員が心を合わせ、新しい会社を創造していく第一歩となるため、まるで結婚式のように皆の前で区切りをつけました。
 承継を思い立ちすぐ実行できたのは、社内には経営理念や指針、企業哲学などが浸透しており、譲っても会社はぶれることはないと考えたからです。普段は一切経営に口出しせずとも、年に一度の経営指針発表会で全社員に確認できているので安心しています。まさに、同友会の理念を大切にする経営を長年実践し続けてきた賜物です。
 就任当初、社長となった息子の博道氏は、父が構築した30年と比べ、これからは一体自分に何ができるのだろうかと手探りで社長業を行っていました。試行錯誤しながらも自分で考えて判断できたのは、毎日会社で唱和している「日本美装の哲学」が頭に浮かび、自然と迷いが消えていったと言います。
 「今後は、時代の流れに伴うライフスタイルの変化に素早く柔軟に対応して、お客さまや地域にとって無くてはならない存在であるため、企業づくり、人づくりに一層努力していって欲しい」と語りました。新社長が「誓いの詞」で、「一日の生活で仕事に最も時間を使う社員のために、これからも楽しい職場であり続けることが何よりも大切」と述べたことは、その第一歩として力強く、大きな意義がありました。
 この取材を通じ、同友会の理念経営、そして人間尊重の経営の大切さを改めて感じる機会となりました。

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