企業訪問

【19.09.01】事業承継(39)

テクノロジーで新事業を手掛け承継の礎を!

 \; 野々市運輸機工株式会社
専務取締役 吉田 章 会員

 同社は金沢市湊に所在、社員47名でトラック輸送をメインとした物流業をしています。昭和41年に吉田会員の祖父が野々市で野々市運輸株式会社を創業したことが社名に由来し、今年で53期を迎えました。
 石川県に機械メーカーが多くあることから、特殊な機械や部品を運ぶことに特化してきました。平ボデートラックやユニック車をメインに保有しており、重量物の運送・保管を得意としています。
 運送業界は昔からブラック業界といわれ、人手不足や人材の定着が課題となっていますが、いち早く働き方改革に取り組んできました。また、相手の長所へ目を向け、感謝を感じる習慣づくりを目的とした「ありがとうカード」や事故情報の共有、お客様からのフィードバック、グループワークを通じて安全に対して意識を高める会議を行っています。
 近年、長尺物の製品を大手の運送会社さんが運ばなくなり、困っているお客様が増えています。そのような困りごとを解決するため「メタル便」という中小企業の全国物流ネットワークに参加、平ボデートラックの長所を生かした搬送で、長尺製品などを積み合わせて、まとめて運ぶことに発想を切り替えたことにより、コスト削減や配送エリア拡大、決まった曜日での定期便を提案しました。困っていたお客様から直ぐにオーダーを頂いたことが本当に嬉しかったと吉田会員は振り返ります。

 同社の働き方改革はクラウド開発も手掛けます。「ノノコムオーダー」というツールで、今まで電話での対応や手書き伝票が主だった受注業務をWeb上で完結できるシステムを吉田会員が開発したことにより、電話でのロス時間や手違いの削減、オーダー変更もチャット機能を用いるなどして効率化を生んだことで、お客様に喜ばれ、特に女性のお客様から反響がありました。
 社内での連絡もチャットを使用することで連絡の遅延や間違いも減りました。ありがとうカードもスマホから送れるようにすることで、全国どこからでも「ありがとう」を伝えられるコミュニケーションツールとして活用されています。
 吉田会員は、今年10月に社長就任を予定しています。現社長である父親からの承継に際し、「恵まれていたのは現在の礎となる新事業をすべて自由にさせてもらったこと、見守ってくれたことだ」と感謝しています。
 「テクノロジーをもっと活用し、より人間らしく生活ができて、自分が思い描くことが実現できる会社を目指したい」と熱く語りました。

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