【19.12.01】事業承継(41)
デリゲーションで自主性と誇りある事務所づくり
弁護士法人 兼六法律事務所
所長 森岡 真一 会員
森岡弁護士は大阪府大阪市生まれ、地元の大学を卒業しその翌年に弁護士登録、1年程大阪の事務所で勤務していましたが、大学の先輩から金沢での勤務を紹介されました。
弁護士の仕事は全国どこでも行うことができ、大都市で狭い分野の弁護をするより地方都市で幅広く活動が出来ることに魅力を感じ、金沢での弁護士活動をはじめました。
法律や裁判に関心を持つようになったのは、高校生の頃。裁判というのは、力や声の大きさではなく法律と証拠に基づいて、公正に判断されるということに感銘を受けました。
弁護士事務所は普通の会社とは違い、仕事柄同じ職場にいても各々が個別で案件を持ち責任を持って仕事をしています。事務所には弁護士以外に事務員が勤務し事務手続きや様々な業務をしながら運営しています。
森岡氏が同友会に入会したきっかけは前所長からの名義変更でした。例会での報告を聞くことで組織や社員の関係性を見つめ直すきっかけが生まれ、弁護士は仕事に誇りや生きがいを感じているが、果たして事務員はどうなのか?と考える機会が多くなりました。
2019年8月、弁護士のいない白山市に支店となる法律事務所を開設し、前所長の小堀弁護士が白山事務所の所長となることになり、森岡氏は金沢事務所の所長に就任しました。プレイヤーを兼務しマネジメントをする中で、事務員の仕事は弁護士へのアシスタントだけでなく事務所にとって幅広い貢献をしていることに気づきます。全員と話し合って意見を聞いた上で,「事務員」から「スタッフ」へと呼び方を変えました。森岡氏は,単に事務手続きのサポートをするだけの存在ではなく,事務所の運営に関わり,弁護士と共に問題解決をするチームのメンバーがスタッフであると呼びかけました。
組織としてはバラバラに見えても事務所がある限りそれは一つの器。一緒に大きくなれば、得意分野を持った専門家の多い事務所になり、幅広い相談に対して,ハイレベルな問題解決をしていくことができると言います。スタッフを含め皆にデリゲーション(権限の委譲)を行い、自主性と誇りをもってもらい、自分達の得意分野を生かしてお客様により良いサービスを提供する。そんな事務所を目指したいと熱く語りました。