【20.01.01】事業承継(42)
地域のために誇れる会社を目指す
株式会社マツモト
代表取締役 北口 紀之 会員
同社は、建築内装資材受注から内装工事まで、一貫して空間づくりを提供するインテリア総合商社です。明治18年創業の紙商にはじまり、後に、襖紙、障子紙から、時代や暮しの変化と共に、内装資材メーカーの多種多彩な製品を取り扱うようになり、現在、創業から135年目を迎えています。
北口会員は、2017年3月から10代目となる代表取締役社長を務めています。同社は、6代目以降、同族・縁故ではなく、社員が社長を務めています。社員として営業畑を約40年経験し58歳で就任しました。しかし、最初は社長就任を一度断りました。長年営業一筋で、経理など総務の仕事が全くわからず、自信が持てなかったと言います。それでも、入社以来40年ほどお世話になった尊敬する当時の会長や周囲からの後押しやサポートで勇気が持て、限られた任期の中で精一杯任務を果たそうと心に決めました。
北口会員は、前社長から名義を引き継ぎ同友会に入会してまもなく、共同求人の活動をきっかけに支部例会にも参加するようになりました。学びを深めていくことで、自社の発展だけではなく、『地域のために誇れる会社』になりたいと考えるようになりました。
誇れる会社づくりのために、まず5Sを推進し業務品質の向上を図りました。全社員で週1回の社内外の清掃からはじめ、顧客、仕入先とのコミュニケーションを見直し、徹底して取引先の要望に向き合いました。それは、まさしく経営理念である「三方よし(仕入先と販売店と同社の三方が共に利益を共有できる関係)」の実現を目指すものでした。
同社の強みは、内装材料(半製品)を施工する職人を斡旋できることです。材料がどんなに革新しても、施工ができなければその商品は何の役にも立ちません。「これからはさらに地域社会のために、職人不足の悩みを解消すべく、自社で内装の職人を育て職人の組織づくりを強化していきたい」と語りました。