【20.02.01】事業承継(43)
事業承継からの経験と覚悟
株式会社 家具の森山
代表取締役 森山 和信 会員
同社は1934年創業。森山会員の祖父が桐箪笥、和家具の製造販売を始めました。2代目の父親の時代に家具製造業から小売業へ業態変更します。森山会員は2004年に同社に入社。先代である父親が闘病中だったので、2006年から仕事を任せられます。
昔は婚礼家具という女性が嫁ぐ際に桐箪笥や鏡台などを購入するという文化があったが、森山会員が入社した頃には既に廃れていました。何か新しいことをしなければという思いもあり、2007年に店舗1階をインテリアショップとしてオープン。2009年にはショップ名「LIFE INDEX」として全館リニューアルオープンします。現在は安心して永く使えるものを基準にセレクトされた家具やインテリアを販売しています。
森山会員は2011年に事業承継しました。2009年から3年間外部コンサルを入れて、最初は責任の重さから覚悟ができていなかったが助言や後押しもあり、経営者へと一歩踏み出しました。先代は森山会員に経験と覚悟が備わるのを待っていたようです。
同友会へは2016年に入会し、今年度は経営指針講座を受講しました。経営理念を作るにあたり、創業者と先代がどんな想いで経営してきたのか、自分が知らなかったことに気づきました。「先代と腹を割った話を、できる時にしておくべきだった。今思えば入社当時、先代に展示会に同行してもらい、一緒に車で各地を回ったのが大切な時間だった」と振り返ります。
経営指針講座を受けて、今までは古いものを否定して新しいものを取り入れてきましたが、それだけではいけないと考えが変わりました。「何を基準に家具を選んでいいか分からないお客様もいる。この人、このお店だったら安心して買い物できると、選んでもらいたい。そのために、スタッフのインテリアコーディネーター資格取得をバックアップして経験や知識が豊富な人材を育成し、買った後にもお客様が安心できるようメンテナンスも提案していきたい。迷いの中で進むべき道が少しずつ見えてきた」と語りました。