【20.06.01】事業承継(47)
誰が買うか、何処で買うか、何のために必要なのか
中村FPコンサル 代表
中村 融香 会員
同社は、中村喜美子会員(義母)が1990年衣料品販売から富山県の生保の使用人として出発しました。時代はバブルの崩壊と同時期でした。お客様はいないゼロからの出発で、戸惑いながら、保険加入への啓発活動として中小企業の飛び込みを行いました。それから幾度となく挫折の繰り返しでした。その間、企業にとって必要不可欠な提案や投資の理論、資産の分散化について東京、大阪、名古屋へと幾度となく足を運び学びました。
2011年に二男の嫁である中村融香会員、2013年に長男の嫁が募集人登録をしました。保険業は目に見えない商品の販売です。業界の価格競争の渦に振り回されることなく、自分達の立ち位置をしっかり持ち「誰が買うか」だけではなく「何処で買うか」「何の為に必要なのか」という視点の中で差別化を図り、3人で前を向いて歩み始めました。
2015年、中村融香会員が同友会へ入会。男子3人を育てながら、例会、委員会、県外の交流会にも積極的に参加。様々な人との出会いの中で、従業員目線から、お客様を守り、会社を存続するにはどうしたらよいかと経営者の視点へと捉えるようになりました。
2018年には、第11期経営指針講座を受講し、創業者のお客様に対する思い、長年育んできた自社の強み、私たちに託す今後の思いなどを先代から深く知ることができ、3人で意見を出し合いながら改めて自社を見つめ直す有意義な時間となりました。
今年5月、保険業を始めて31年。事業承継と同時に中村保険事務所から中村FPコンサルへと社名変更しました。今後はファイナンシャルプランニング業務に特化し、業務を拡張する運びとなりました。
昭和、平成、令和へと移りゆく時代の中で業界も大きく変化しました。登るべき山に旗を立て、アンテナを張り舵取りしていきます。これからもお客様にとって最良のパートナーとなれるよう、培った経験と知識を活かし学び続け、お客様の想いに応えていきます。
先代が大切にしてきた地域の二つのボランティア(ふれ愛サロン、ばあちゃん食堂)も共に始めて13年目を迎えました。「3世代が共に支え合う社会を微力ながら目指しています。新しい出発と共に今後も、社会と世界の変革に対応できるように歩んでいきます」と明るい未来に向けて力強く話してくれました。