【21.04.01】クローズアップ同友会型企業づくり実践(35)
SNS発信で知識や経験を共有
有限会社ふる里の味すみげん
代表取締役社長 角谷 亮 会員
■160余年守り続けた「すみげん」
小松には北前船が北海道の海産物を運び、付近の農産物と売る「市」がありました。現在もその名が残る三日市、八日市であり、当時から人々の賑わいが絶えない通りでした。
すみげんの創業は江戸時代末期の嘉永年間(1848〜1854)。角谷源平が北前船によって運ばれた海産物を商ったことに始まります。以来160余年間の代々の後継者によって営まれ続け、明治30年小松に鉄道がしかれて北前船が衰退し始めた後も、三日市のすみげんとしてその名を守り現在に至っています。
■ネット販売で売り上げ拡大
現在の代表取締役社長の角谷会員は39歳の時に社長に就任しました。大学を卒業後、家業とは全く関係のない会社に就職しました。約3年勤めましたが、家業の人手が足りないとの願いで家に戻ります。小松に戻ると活気のあった商店街が閑散としていて愕然とします。そこでホームページ作成を独学で学び、インターネットで商品販売を始めました。月に15万円くらい売れば売上の足しになると考え行動し、最初の目標はすぐに達成できました。しかし売上は伸び悩みます。そこでWebの学校に通い、ホームページを見直し販売管理システムを導入しました。するとネット販売の売上が月120万円になりました。
■発信し続けることが大切
角谷会員は、Facebookやインスタグラムの投稿を意識して頻繁に行っています。若いお客様に来店していただくにはどうしたらいいか悩んだ時期があり、ハッシュタグ#をつけて投稿していただいた方にふぐのこアイスや珈琲のサービスを始めると、ハッシュタグで検索した若いお客様の来店が増えていきました。また、蕎麦打ちをして、店内でお蕎麦を召し上がっていただくスペースを設けると良い香りに誘われて昆布や鰹節の売上もよくなり、商品販売と飲食の売上が相乗効果で上がりました。そこでは、昆布の使用方法などお客様と会話することも増えました。
商品を売るだけでなく、自分の知識や経験をお客様と共有することが付加価値となり次に繋がります。だからこそツイッター、Facebook、インスタグラムで発信し続けることが大切で、それはお客様に興味をもっていただく入口になります。
最近はクラブハウスも毎日しています。蕎麦打ちの音を聞いた方がインスタの画像を見たり、来店もしてくれます。とにかくやってみることが大事です。やらないで文句を言うのではなく、やってみて考えて動くことを続けています。