【21.07.01】事業承継(60)
時代に合わせ進化し続ける
黒崎産業株式会社
代表取締役社長 黒崎 嘉之 会員
同社は建装資材販売・責任施工をはじめ工業薬品販売・土木資材販売・食品関連商品販売・デイサービスの運営、関連会社ではアスファルト乳剤の散布や工事など多彩な事業展開を、それぞれの分野に精通した社員が「創造と価値」を意識しお客様のニーズに合った付加価値を提供しています。
■受け継がれるイノベーション精神
昭和11年祖父が黒崎商店を設立。当時は繊維業が盛んな北陸において油脂類をメインに販売しており、お客様は北陸のみならず京都まで販売先を持っていました。その後ガソリンスタンド事業も立ち上げましたが、不渡りも多かったことから同業社に譲渡し事業の一部であった建材販売を主力とした経営に切り替えました。そのような苦難を乗り越えてきた2代目社長である父が病を患い、平成17年に入社することを決めました。
■時代のニーズを捉えた経営体質
その後、黒崎会員は平成22年に3代目社長に就任しました。7年間のサラリーマンの経験はあっても、経営者の経験がなかった為、同友会やコンサルタント、大量の書籍を読み経営を学びました。
社長就任後は常に市場の変化に対応できる事業形態を作りたいと考えました。祖父や父の経営が常に時代の流れを先読みし事業を変化させてきたからです。歴史を知ると会社とは変化するのが「あたり前」ということが自然と身についていたのだと思います。
現在では建材の卸売りだけではなく、施工まで請け負うワンストップという付加価値を提供しています。リハビリを継続して行えるよう柔道整復師と連携し、機能訓練を目的としたデイサービス事業を行っているのもお客様の発展のためということが根底にあり、建材卸のほか当社の複数の経営柱となっています。
■ブログ「4代目社長への伝言」
いま、後継者候補の跡継ぎの方々に伝えるとしたら、譲られる前から拙くてもよいので、先代を納得させられる経営計画や想いを自身で作ることが大切だと考えます。
今後の事業承継については決まっていませんが、社員に考えや行動など知ってもらうために「4代目社長への伝言」というブログを書いています。もしかすると将来事業承継する際にこのブログが役立つと考えています。
創業から常に時代のニーズを捉え変化する企業姿勢は進化する理想の企業であると思いました。