【21.10.01】事業承継(63)
「風土」づくりが大切
高田舗装株式会社
代表取締役 高田 勝敏 会員
同社は、1968年創業で舗装工事(アスファルト舗装・駐車場舗装等)を中心に土木事業を展開しています。高田会員は関東の橋梁会社を経て1982年に同社へ入社、1997年から2代目社長として現在に至ります。
■学んだことは全て行動
承継当時は建設会社の下請けを主に担っていましたが、バブル崩壊やリーマンショックで元請が潰れ多くの不渡りで大変苦労したことから、2008年より下請けからの脱却を目指しました。顧客から支持される「よい会社」になるには?と様々な経営勉強会に参加し、年間100冊以上の本を読みました。それを自社で活かせる形に模索し「行動してみないと何もわからない」と、企業訪問、社内勉強会、社内外の整理整頓清掃、本の輪読、論語の唱和、教育勅語の唱和など学んだことは会社で全て行動しました。
同友会には2010年に経営指針作成を目的に入会し、翌年には「共育塾」を受講。現在は経営指針発表会を毎年社内で行い、学びを実践しています。
■信念を持って継続、人間性成長に
学びと実践から、目指したよい会社とは「人や地域に感謝される会社」「社員が明るく元気に働ける会社」であり、そうすることで自分もワクワク経営できると気づきました。初めは社員に大反対されましたが、信念を持って挑戦し継続することで、少しずつ全社員の人間性の成長に繋がり、会社が変わり、次第に多くの顧客に支持されるようになりました。
成長の実感は「日本で一番大切にしたい会社」大賞に応募し、一次審査に4回通過したことで得られましたが、審査時に指摘された70項目の改善を試み、さらに高みを目指しています。
■多角化も視野に感謝される会社へ
2020年に大手ゼネコンで経験を積んだ息子の昌宏氏が入社しました。昌宏氏は、地元では大きい仕事は無いがお客様との距離が近く感じられることにやりがいを感じています。近くで父親の経営者としての姿を見習った上で「舗装だけでなく多角化を視野に入れ会社を時代に合わせ変えていき、更なる『感謝される会社』を目指したい」また、「知名度を上げ若い人がもっと入りたくなる会社にしていきたい」と言います。
高田会員は、今後の承継にあたり息子に最も伝えたいことは「自分の実現したい会社づくりに信念を貫き続け、社員と共に学び共に育つ姿勢で、少しずつ全体に根付かせていく会社の『風土』づくりが大切である」と力強く語りました。