調査・見解・提言

【21.10.22】景況調査2021/7月〜9月

全体で横ばいも製造業は大幅悪化

 \; 第39回景気動向基本調査結果(2021年7月〜2021年9月)
調査期間9/15〜10/12 回答48社(建6社・製8社・小売15社・サ19社)/384社(12%)

 現在(7月〜9月)の経営状況は、(4月〜6月期と比べて)全業種で見ると、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は4月調査の△1.5から6.3へ改善しました。経常利益DI(「増加」−「減少」割合)は△3.1から△10.4へと更に悪化しましたが、資金繰りDI(「余裕」−「窮屈」)は3.1から4.2へやや改善しました。前回7月調査の見通し予測は資金繰りがマイナスの予測でしたが、経常利益DIがさらに悪化の結果を示しました。

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 7月〜9月の経営状況を業種別で見ると、建設業では売上高DI9.1→16.7へ改善しましたが、経常利益DI18.2→0と資金繰りDI27.0→0は悪化となりました。製造業は、売上高DIが8.3→△50.0、経常利益D18.3→△87.5、資金繰りDI16.7→△12.5と全てマイナスへと大幅な悪化を示しました。卸小売業は売上高DI△15.4→20.0、経常利益DI△30.8→13.3とプラスに転じました。サービス業も、売上高DI△3.4→15.8、経常利益DIが△3.4→0、資金繰りDI△20.7→0といずれもマイナス圏を脱し改善の傾向を示しました。

経営の見通し改善を予測

 \;  経営の見通し(10月〜12月予測)は、全業種で売上高DIが10.8→29.2へ、経常利益DIが1.5→14.6へ、資金繰りDI△3.1→0と改善の予測となりました。
業種別の経営の見通しでは、建設業の売上高DIは、9.1→50.0、卸小売業で0→40、サービス業7.6→31.6へ改善予測となりましたが、製造業では△16.7→△12.5とやや改善予測もマイナスが続く結果となりました。見通しの資金繰りDI(「余裕」−「窮屈」)でも建設業は△9.1→16.7、卸小売業△30.8→6.7とプラスに転じ余裕感の予測となりましたが、製造業で0→△25.0、と窮屈の予測を示し、サービス業で10.3→0となりました。

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仕入れ単価DI大幅上昇

 \;  仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)は全業種で21.5→41.7と大幅に上昇しました。業種別では建設業が63.6→66.7と横ばいながら高い水準で、製造業では33.3→100となりました。一方、販売単価・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)は全業種では1.5→0となり、製造業だけがマイナス圏内で△25→△25と横ばいでした。仕入れ単価DI−販売客単価DIの差は20.0→41.7へと拡大しました。
 生産・営業設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は、全業種でみると△1.5→△4.2と不足感がやや高まりました。
 雇用状況DI(「過剰」−「不足」)を全業種でみると△10.8→△18.8とやや不足の傾向が強まっています。
 現状での自社の最大の経営課題については、人材育成33%、売上高増加17%、次いで販売・受注競争の激化10%、事業承継9%の順となりました。
4〜6月期に課題解決のために試みたこと(自由意見)として、「個人向け営業の促進と公共事業の小規模の拡大」「独自加算追加、施設内除菌コーティング、作業効率改善、今後ICT化促進」「11月の新事業立ち上げに向けた準備」といった回答がありました。

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