【07.11.11】教養学部運営委員会「第3回金沢たんてい学」
木を崇めて作品づくり ~川北良造氏(人間国宝)工房を訪ねる~
第三回金沢たんてい学は、十一月十一日日曜日に開催され、山中を訪れた。
始めに重要無形文化財保持者(人間国宝)川北良造氏の工房を訪ね、息子の川北浩彦氏の案内で二人の魂が詰まった作品に見入った。川北氏は「日本は木を崇め木の家を立て、木の恩恵を受けながら最近は畏敬の念が薄れていることが残念だ、作品を通じて木のすばらしさを伝えたい」とした。
その後、山中座を見学し、すゞや今日楼にて若手塗り師の清水一人氏を囲んだ。清水氏は「山中塗りは口あたりなど細部までおもいやりの心が込められ作られる、しかし近年は商業ベースによりスピードが求められ本来の仕事がしにくくなっている」と話した。参加者は、伝承料理を味わいながら、漆を生活に取り入れる方法など漆談義で盛り上がった。伝承料理には山中塗りの器が使われ、素朴ながらも手間暇かけて作られた料理が盛られた。専務の須谷会員は、人の心もやわらげる山中塗りの良さを伝えたい、と故郷を愛する思いを語った。小雨まじりのゆげ街道を散策し晩秋を味わった。参加者八名。