【08.05.27】日本海支部5月例会
弁護士の顧客満足は「安心と納得」の提供。小堀秀行会員(弁護士)が中小企業家の立場で報告。
独立間もない頃、法的に正しいことを伝えているのにお客様が腹を立てて帰られるという痛い失敗から、弁護士の顧客満足とは何か?弁護士はいったい何を売っているのか考えさせられ「顧客満足のために法的サービスを提供」を理念に掲げ、その顧客満足は「安心と納得」とした。安心とは、様々な事件に巻き込まれて大きな不安と心配を抱え、その上、弁護士事務所に行くこと自体、報酬や依頼後についても不安に感じながら相談に訪れるわけで、それらを解消するために、ホームページ等での情報公開や裁判の経過報告などで応えている。納得については、まずは、言いたいことを十分に聴くことが出発点、その裁判がうまくいったのか丁寧な説明がなされてこそ経過がわかって初めて納得する。また、依頼が増加して忙しくても、自分の事件はしっかりやってほしいと誰もが思うわけで、それに応えるような仕組みづくりとして、まず執務室と打合せ場所をわけ、電話も取り次がず相談を受けるようにした。また、弁護士四名のサービスの品質管理をしようと考え、案件には番号をふり、打合せ内容をしっかり記録、同じ質問を繰り返すことなどないようにした。解決後は担当の弁護士や職員の対応をアンケート調査し、月一回の会議で苦情や改善提案、経費についても検討している。また、弁護士と職員の仕事のすみわけ、グループウエアによるスケジュール管理で効率を高めた。そのことは、弁護士事務所としては全国初のISO9001の取得となった。弁護士業界は、報酬規定の撤廃などの規制緩和や大幅増員により競争社会に突入、弱い人のために仕事をしてやっているという感覚から経営感覚を高めなければ生き残れない。人間関係並びに法律関係の整理整頓業として顧客満足の追求に取組んでいる。
報告を基に「あなたの会社は販売やサービスを通じて何を売っているか」で討論。
別立てで「裁判員制度」について小堀会員に説明してもらった。