支部の活動報告

【08.09.18】南加賀支部9月例会

「中小企業憲章って、な~に?」~憲章・条例制定後どう変わる中小企業~岡田知弘氏(京都大学大学院 経済学研究科教授-地域経済論専攻-)

  地域からモノを見ることが重要だ。地域とは人間生活の場であり、経済のグローバル化の中にあっても地域経済の主役は中小企業である。しかし中小企業の経営環境の改善は1社では不可能であり、地域の構成員(行政、各種団体、農家など)と協同の取り組みが必要だ。80年代半ば以降の経済グローバル化と地域経済構造変動は、ものづくり産業の衰退と地方経済の衰退(定住能力が低下)を加速させた。また、従来の大型公共事業+企業誘致型地域開発政策の限界も明らかになってきている。本当の意味での地域活性化とは、そこに住む住民ひとり一人が豊かになる(その結果、自治体は財政力の強化される)ことだ。そのためには「地域内再投資力」の量的質的形成が必要だ。地域内再生産の維持拡大は自然環境の維持、国土の保全にも寄与する。そして、地域内産業連携も重要だ。その意味で、地域再生への理念として中小企業憲章を、戦略として中小企業振興基本条例を活用してはどうか?そして条例制定に至るまでのプロセスに中小企業経営者も加わることが大切だ。それによって行政、地域との係わりが深まることや自社の経営改善が進むことで中小企業自身も力をつけることが出来るからだ。地域経済の担い手として、地域社会の担い手として地域に根ざした中小企業の役割は極めて大きくなっている。(文責:事務局)

 

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