【14.11.26】金沢駅西支部11月例会
障がい=個性=強み
報告者 岩下 琢也 会員
金沢QOL支援センター㈱ 代表取締役
小さい頃は心臓病を患い、喘息もあり病弱で入院を繰り返していた。進路を決める時に看護師をしている母から「作業療法士という職業もあるよ」と言われ、興味が湧き必死に勉強してなることができた。
二年勤めた病院を退職する時にある精神障がい者さんから「岩下さんがこの病院に来て色んなことが楽しくなった」と言われ感動した。障がいがあるから問題なのではなく、障がい者が活躍できない社会に問題があると思った。障がい者も高齢者も全ての人が自立して幸せに生活できる社会を作りたいと思い起業した。
今は社員が七十名(うち障がい者のスタッフが二十三名)。訪問看護ステーション、デイサービス、リハビリ型就労スペース(障がい者就労支援A型事業所)、介護事業コンサルタント、介護事業所向け研修事業を行っている。就労支援に際してもこれらの全ての事業がシームレスに連携し合っていることが強み。
障がい者さんの仕事はデザインや清掃をしている。三十代の統合失調症の男性は、まず訪問看護で生活基盤を安定するよう支援した後、就労してもらい、週三日の清掃業務に従事して社会スキルや症状が安定した。また、五十代女性で脳卒中で左片麻痺の方は元美術の先生をしていたので、温か味のあるイラストを沢山描いてくれてコミュニケーション能力も高く営業や広報の仕事をしてもらっている。
私達は、障がい=個性=強みと考えている。全国で就労可能な障がい者は三百二十三万人、そのうち一四%しか働いていない。障がい者が五年間、生活保護と福祉サービスを利用すると千二百五十万円の公費が必要となるが一般就労すると公費は二百万円になる。ここに障がい者就労の社会的価値があると思う。
障がい者だから・・・ではなく、結局は人間性の優れた方を採用して個性や強みを発見して適切なマネジメントができるか否かは経営者の責任だと思う。
今後の夢は、超高齢社会を迎える日本を高齢化先進国とポジティブに捉え、強みを生かしてアジア圏へ医療・介護サービスを輸出したいと考えている。