【20.02.18】金沢中央支部2月例会
創業社長が遺した社訓が理念につながる
報告者:藤井 敬士 会員 (株)シコウ 専務取締役
愛知県出身の藤井会員は、大学卒業後に金沢で就職し、(株)シコウに入社しました。
創業社長に「私は社長になります」と宣言し、板金や組み立てを経験し、主力商品であるAGV(無人搬送車)の全国営業に専念していました。
そんな折、創業社長が病で他界し、会社をM&Aの波が襲いました。人間関係から社内の空気は悪化し、藤井会員も精神状態が不安定になる程でした。その後、M&A先が経営難となりシコウを手放し、経営は再び社員に戻りましたが、資金繰りの問題が残りました。銀行に出向いても門前払いされる中、中小企業再生支援室の支援が決まり、ようやく資金計画を見直し、V字回復への挑戦を始めまることができました。同時に同友会に入会したことで、会員から多くのアドバイスをもらい、創業社長の夢でもあった新工場設立のために当時の売上高以上の融資を取り付けました。
シコウが最も大事にしているのは「社員の和」です。同じ方向を向いて仕事をするため、創業社長が遺した「社訓行動八箇条」を毎朝唱和しています。始めた当時はピンとこなかったのですが、同友会の経営指針講座を受講中、現場で社訓を眺めた時に初めてその意味が理解でき、その瞬間、武者震いしました。そこから自社の理念に気づき、見える世界が変わりました。
社員と共に作り上げた企業の強さが伝わる報告でした。