【20.12.22】ウィズコロナ奮闘記(8)
危機においても新商品開発、マーケット開拓
(有)パンあづま屋
代表取締役 東 和央 会員
■ 学校給食とイベント事業売上が激減
創業80年、パンあづま屋は南加賀地区を拠点に空港や道の駅、スーパー、百貨店などでのパンの小売りや学校給食事業を展開しています。食パンに自家製ホイップクリームを挟んだホワイトサンドを筆頭とするサンドパンシリーズや頭脳パンが看板商品として有名です。パンを大量に生産できる設備とノウハウがあり、学校給食は南加賀地区でトップシェアを誇っています。
コロナ禍で学校が休校になり、イベントや祭事もほとんどなくなったため、3月から5月まで、売上全体の25%を占める学校給食と15%のイベント事業と一部販売店や事業所の休止もあり、売上が激減しました。
■ 強みを生かし売上拡大へ
あづま屋が一番大切にしていること、それは焼きたてのパンをその日のうちにお客様にお届けする事です。なぜなら保存料などの添加物を使っていないため、パンが日持ちしないからです。安全なパンを大量に生産出来る設備を持
ち、自社で配送し、陳列、商品管理までしていることが、他のパン屋には真似の出来ない強みとなっています。
外食が減り、家での食事機会の増大を背景に、スーパーマルエーの7店舗をはじめ松任中央病院など新たに大きな契約の締結に至りました。
人気商品ホワイトサンドをもっと多くの人に知ってもらいたい。そんな思いから新商品開発に臨み、日持ちのしないパンではなく、賞味期限の長いお菓子の販売を9月下旬より開始しました。タイアップしたのは名古屋市の菓子メーカー、長登屋。ホワイトチョコをクッキーで挟んだ「ホワイトサンド風ラングドシャ」と、ホワイトクリームをカステラで挟んだ「ホワイトサンド風ケーキ」の2種類の商品を小松駅や小松空港ターミナルビル、小松木場潟道の駅、尼御前サービスエリア(下り線)、徳光パーキングエリアなど県内約10カ所で販売しています。
■同友会の繋がりで廃棄ロスを大幅に削減
あづま屋では日持ちしないパンの廃棄ロスが大きな問題でした。今期、同友会の例会で知り合った和歌山県の会員から、消費期限前の売れ残ったパンをやむを得ず冷凍して販売するrebake(リベイク https://rebake.me
/)というサイトを紹介してもらい、すぐに登録したことでパンの廃棄ロスを大幅に削減することが出来るようになりました。廃棄コストがなくなり、売上が向上したことは大幅な収益改善、そしてSDGsにもつながりました。
■コロナ前よりも売上アップ
11月の売上は昨年対比で20%アップ、従業員もコロナ前の30人から現在は35人と5人増えました。
あづま屋は危機においても自社の強みを生かし、対応策を立てることで乗り越えていく力強い企業だと感じました。